一月からこのかた、来る日も来る日も新型コロナウィルスに関する報道ばかりが目立ちます。
「専門家の意見」なども含め、これまで報じられてきた種々の事柄に関して、ちょっとした疑問や違和感を抱くことは少なくありませんでした。
実は、私は医療ジャーナリストとして仕事をしていたこともあり、感染に関係することに対して、根本的な「ズレ」を感じていたのです。
そんな折、都立駒込病院の脳神経外科医である篠浦伸禎先生と歓談する機会を得ました。
篠浦先生は脳外科の名医として種々の難しい手術をこなされているばかりか、統合医療によって、多くの重篤な患者さんを回復させてきています。
私も医療ジャーナリストとしての仕事は、もっぱら統合医療でした。
統合医療とは、対症療法である西洋医学と自然治癒力に着目し根本治療を目指す東洋医学の、それぞれの長所を統合した医療行為です。
たとえば、ガンの手術を行う一方で、アロマテラピーやサプリメントを用いた栄養療法や、時には氣光などを行うような医療行為を統合医療と総称しています。
医療ジャーナリストの経験があるといえども、医師や研究者というわけはありませんから、今この時期に、中途半端な情報を流してしまうと、読者を混乱させてしまいかねない、という不安がありました。
それで、篠浦先生に私の思うところを確認する意味で伺い、さらにそのうえで、篠浦先生の見解を訊いてみたのです。
今日は、そのなかで免疫力・自然治癒力についてお伝えしたいと思います。
念のため、ここで述べることは、篠浦先生にご意見を伺いはしましたが、一個人の見解であることには変わりありません。
あくまでも一つの意見として受け止めていただけますようお願いいたします。
治療薬は症状を緩和しているに過ぎない。治療しているのは体に備わった「免疫の力」
新型コロナウィルスに対する人々の恐怖は、少し行きすぎているように私には思えます。
たとえばインフルエンザでは今でも数千人が死亡しています。2018年は約3400人がインフルエンザに罹患したことが原因で死に至りました。
※以下、ご参考ください。厚生労働省のデータがグラフになっていてわかりやすいです。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/1955.html?fbclid=IwAR269AO2-kgJWudKY5LgPnAaGIH_nu8cvGM0pk75MG0gTlOiAIfXtzOUgHk
しかし、新型コロナウィルスはインフルエンザと比較しても、さしたる致死率でありません。このことは、毎日、ニュースでも報道されています。
「お年寄りや持病のある人、極端に体が弱っている人は要注意」ということがよくいわれますが、これは新型コロナウィルスに限られたことではありません。
わかりやすいのでインフルエンザを例に取りあげますが、それをいうなら、インフルエンザの方をより恐れるべきでしょう。
たぶん、冷静な人は、このように考えることが出来たのではないでしょうか。
が、メディアの底意地の悪さなのか?
冷静な人でも怖がらせようといわんばかり、このようなことを言うわけです。
「新型コロナウィルスの恐ろしいところは、治療薬がまだないというところです」
もしかしたら、せっかく冷静でいられた人も、この一言で、ちょっと怖くなってしまうかも知れません。
「治療薬がない」というのは事実です。だから、このように報道しても、まったく間違いではありません。
けれど、この言葉から連想されるのは、
「だから治療がむずかしく、感染したら重い症状が出て、苦しんだあげく死んでしまうかもしれない」
ということではないでしょうか。
そして、こちらは事実半分、真実半分です。人によっては本当にそうなるかもしれないからです。でも、人によっては、たとえ治療薬がなくたって、もしかしたら苦しまないでしょうし、まして死に至ることは少ない。
実際、すでに新型コロナウィルスに感染した患者さんは、隔離病棟で点滴などで栄養素を補給しながら、症状が緩和され、病気が治るのを、医師や看護師の監視のもとで寝て待っているのです。
治療薬なしでも、ちゃんと治る、ということ、これを明確に報道していません。
うそはついていないけれど、言うべきことを言っていない、という状態です。
実は、治療薬(西洋医学に基づいた新薬)は、症状を緩和する働きはありますが、病気を根本的に治療するような働きは持っていません。
病気を根本から治しているのは、体そのものが持っている自然治癒力なのです。「免疫の力」ともいいます。
また、最近では、体だけではなく、「意識」「精神」が持つ「レジリエンス」が鍵を握っていることもわかってきました。
「レジリエンス」とは、いわば「絶対元気になるぞ!」というような前向きな意識です。ポジティブエネルギーのことです。
このような精神状態にある人は、免疫力がアップすることも臨床試験により証明されています。「病は気から」は本当だった、といって憚らない医学博士が、実際に存在しているのです(それも、何人も)。
よく、風邪をひいても、数日間寝ていたら、だんだんよくなって、薬も使わずに元気になってしまった・・ということがありますよね。
これこそが自然治癒力です。
大切なのは、衛生に関する十分な配慮を行うと同時に、免疫力を高めていくこと
では、治療薬は無意味なのかといえば、必ずしもそうではありません。
たとえばインフルエンザに罹患し高熱が出てしまった時など、時には脳症を引き起こしてしまうこともあります。あるいは、ひきつけを起こして呼吸困難になり、窒息するといった危険もあります。
症状によっては体に負担がかかりすぎて危険な状態になり、自然治癒力も結果的に低下してしまいかねません。そこで、適度に症状を抑える必要が出てくるのです。
たとえば、風邪を治すにはとにかく睡眠を取ることですが、喉の傷みが酷かったり、鼻が詰まって呼吸ができなかったりすると、おちおち寝ていることさえ出来なくなりますね。
そこで、治療薬でつらい症状を抑え、安眠できるようにするのです。
新型コロナウィルスの症状は、現時点での情報からすれば、それほど重篤で深刻なものではないようです。
風邪気味かな? あるいは今だと「花粉症、きたか!」というくらいの症状が大半のようです。
感染していることに気がつかないまま過ごしている人が、かなりの数に上っているのではないかと私は見ています。
それが感染拡大の原因になっている!!と、政府は若い世代の外出や濃厚接触を強く警戒しているところからしても、たぶんそうなのでしょう。
お亡くなりになった方は80歳以上というご高齢の方ばかりですが、これくらいの年齢になると、持病はひとつやふたつではなく(高血圧や高脂血症、糖尿病など)、しかも、免疫力はかなり低下してきています。もちろん体力もがくんと落ちています。
こうしたことを総合的に見ていくと、
免疫力をあげていさえすれば、たいていのことは大丈夫
ということがわかってきます。
念のために加えますが、うがいや手洗いをしっかり行い、できれば外出時はマスクをして、大勢の人が集まる密室空間には行かないなど、十分な配慮をしたうえで、免疫力をあげておく、ということです。
だいぶ長くなってしまったので、免疫力についての基礎知識と、どのようにするとその力をアップしていくことが出来るかということは、次回にいたします。
もっと早く知りたい!という人は、篠浦伸禎先生の動画をご覧ください。