美しい本づくりをしたい。それは命題だった

はじめに ことば ありき
ことばは 詞(ことば)となり 言の葉として
(ふみ)に記され 
文明を生み 文化を成した
歴史とは 文による
ひとびとの物語。
我らは それを
受け継ぐものである。

この詩は、『本気の文章講座』で本づくりまで進まれる方々へお送りしたものです。
「ことば」を大切にしたい。心を込めて綴りたい。
わけても日本語という言語を与えられたことに
もっと感謝と敬意をもって用いたい。

私の中にある、そんな想いをここに込めました。
そして、これを私たちの宣言としたのです。
私にとって決して譲ることの出来ない主題・・・いえ、命題です。
この命題のうえに
「だからこそ美しい本づくりをする」というコンセプトを貫きたいのです。

はじめに ことば ありき
ことばは 詞(ことば)となり 言の葉として
(ふみ)に記され 
文明を生み 文化を成した
歴史とは 文による
ひとびとの物語。
我らは それを
受け継ぐものである。

この詩は、『本気の文章講座』で本づくりまで進まれる方々へお送りしたものです。
「ことば」を大切にしたい。心を込めて綴りたい。
わけても日本語という言語を与えられたことに
もっと感謝と敬意をもって用いたい。

私の中にある、そんな想いをここに込めました。
そして、これを私たちの宣言としたのです。
私にとって決して譲ることの出来ない主題・・・いえ、命題です。
この命題のうえに
「だからこそ美しい本づくりをする」というコンセプトを貫きたいのです。

およそ30年間、出版業界に関係してきた私は15年ほど前から本についての種々のジレンマを抱えていました。
ジレンマは広範囲に渡りますが、一言で表すなら本への敬意がなさすぎるのではないか、ということです。
売れることは大事ですが、それが最優先になり、話題になりそうなものを可能な限り予算を抑えて作る。
書店に並ぶ本はそのなかのごく一部で、それも一週間ほどで下げられてしまうことさえあります。
出版社は、この20年あまり自転車操業の状態にあり、著者はもちろん志のある編集者でも、望むような本づくりが難しい状況。さらに昨今の起業ブーム下で、「ハクをつけるために本を出す」という人が続出。ビジネスのために本が利用されているという、本好きの人間からすれば極めて残念な状況です。

私自身は「これからは豪華本の時代だ」と10年以上前から思ってきました。
革張り、あるいは布張りの美しい本。
内容もさることながら、部屋にあることそのものに豊かさを感じるようような本です。
そこまでのことができなくても、もっと大事に本を作りたい。
心で読んでくださる人に手で渡すように届けたい。
そんな想いで本作りそのものを独自の形にする挑戦もしました。
『心をたがやす言の葉帖』や文章講座から生まれた作品集『なないろの記』その一環でつくっています。
この活動は、まだまだ端緒に立ったばかりで、手探りの状態です。
それでも、これから私なりに想いを同じくする人と協力し合いながら、ささやかでも心を込めて本づくりをしていきたいと考えています。

およそ30年間、出版業界に関係してきた私は15年ほど前から本についての種々のジレンマを抱えていました。
ジレンマは広範囲に渡りますが、一言で表すなら本への敬意がなさすぎるのではないか、ということです。
売れることは大事ですが、それが最優先になり、話題になりそうなものを可能な限り予算を抑えて作る。
書店に並ぶ本はそのなかのごく一部で、それも一週間ほどで下げられてしまうことさえあります。
出版社は、この20年あまり自転車操業の状態にあり、著者はもちろん志のある編集者でも、望むような本づくりが難しい状況。さらに昨今の起業ブーム下で、「ハクをつけるために本を出す」という人が続出。ビジネスのために本が利用されているという、本好きの人間からすれば極めて残念な状況です。

私自身は「これからは豪華本の時代だ」と10年以上前から思ってきました。
革張り、あるいは布張りの美しい本。
内容もさることながら、部屋にあることそのものに豊かさを感じるようような本です。
そこまでのことができなくても、もっと大事に本を作りたい。
心で読んでくださる人に手で渡すように届けたい。
そんな想いで本作りそのものを独自の形にする挑戦もしました。
『心をたがやす言の葉帖』や文章講座から生まれた作品集『なないろの記』その一環でつくっています。
この活動は、まだまだ端緒に立ったばかりで、手探りの状態です。
それでも、これから私なりに想いを同じくする人と協力し合いながら、ささやかでも心を込めて本づくりをしていきたいと考えています。

Fuji-Sun企画の本

◆ご注意

オリジナル書籍については、基本的に、ご注文をいただいてから印刷・製本に入ります。
書店に並べたり在庫として置いておくことによって、本に傷みが生じてしまうのを避けるためで、お客さまには、真に「出来たばかりの新品」をお届けしたいのです。
ただし、それには、お届けまでのお時間を10日~2週間ほど、いただくことになってしまいます。
その点をご理解・ご了承のうえ、ご用命いただけますようお願い申し上げます。
まとめてのご注文にも応じます。

『心をたがやす言の葉帖 刷新版』

著者による初めてのオリジナル書籍。「語録」「ショートエッセイ」「詩」「和歌」そして「オリジナルフォト」と、ジャンルに縛られることなく、心の赴くまま、「言の葉」を綴っていきました。
深いことを、難しい言葉で伝えるのではなく、子どもでもわかるようなやさしい、そして柔らかい言葉で伝えたい。
これは、ものかきとして、私が貫いてきたスタイルです。
流れるような文章と、心を投影したフォトが、あなたの心の琴線を震わせることが出来たなら、とてもうれしく思います。

『なないろの記』

本気の文章講座から生まれた作品集。
7人の書き手がそれぞれの色彩を放ちます。

  • 巡りゆく家族の歳(とき) … 隈部りさ
  • こころのおと … 白河晃子
  • 高らかに歌え ゆく河の流れにのせて 山岸恭子
  • 今日も山の端は茜に染まる … 大磯爵歌
  • 光に咲く蓮華のように … 野崎真由美
  • 幸せの根本 犬との関わりのなかで掴んだ「新しい生き方」 … 廣本建一
  • そしてすべては光にかわる … 太田晴子

はじめに より

本書は私が講師をつとめる『本気の文章講座』で学ばれた方々の作品集です。クリエイティブコースまで進まれた七名が、それぞれ創作に挑みました。

言葉で伝える。
文章で表現する。
それは最もシンプルな方法で、限りない可能性に満ちています。鳥が空を飛ぶように、魚が大海原を泳ぐように、自由自在に世界を創造し描き出せるのが文章なのです。
もっとも、そこまで至るには、ずいぶん遠い道のりです。それでも私たちは、あえて選びました。遠くても、この道を歩いてみることを。歩くことによって、むしろ未熟さを知ることになろうとも。
初めての創作、初めての本づくり。
書いては消して、また書いては消し、ついには立ち止まって考え込む。皆がそうして自分と向き合い対話し続けました。果てしない世界は自分の内側にこそ存在するものですが、七名の書き手たちは、それぞれ自分の世界を見いだしはじめたようです。
でこぼこ道をゆく私たちは、もしかしたら、ちょっと不格好だったかもしれません。
だけどその道のりを辿るなかで、気づいたら手ごたえを感じていたのです。何かを、手にしていたのです。
それが何であるかは、わかりません。なぜなら一人一人異なるもので、さらにはこれからいくらでも変わっていくからです。あえて言えば種のようなものでしょうか。これから芽吹いて、育っていく種です。
七人の書き手たちが、それぞれ見いだした種が、この本に編まれた七つの作品です。
七つの色彩、七つの輝きが、ここにあります。
七つの世界を旅するように、一作、また一作と読み進めてみてください。
もしかしたら、あなたもその手に、種を見いだすかも知れません。