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会津武家女性の教えに、例え何があろうと涙は見せぬ、「まつげを濡らさない」がある。それは、何事にも挫けることなく己の信念を貫いた武家女性の生きる姿勢である。

 2011年3.11後、原発事故で福島は注目を集め、その復興を願って制作されるNHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公は、山本八重、後の新島襄夫人、新島八重である。
幕末の会津籠城戦では、スペンサー銃を抱えて戦い、「日本のジャンヌダルク」と称された。
襄と結婚してからは聖書を手に、「ハンサムウーマン」といわれ、襄の死後、戦地に看護婦として赴き、「日本のナイチンゲール」として活躍。晩年は、茶道を極め、同志社のおばぁちゃまとして多くの生徒たちに親しまれた。
その人生は、時代に翻弄されながらも、信念を貫く芯ある生き方であった。会津の武家女性の教育という観点から、八重の生き方を探るとき、不安に怯える現代の私たちに、さまざまな生きるヒントが見出される。