結婚は女の修行


ラジオを聴いていたら、パーソナリティーの女性が
「結婚しなくてもいいかなって思って・・・」
と、かわいらしい声で言いました。

仕事もあるし、友達もいるし、
一人でも、それなりやっていけるし云々・・・

20代か、せいぜい30代前半でしょうか。

近ごろは早々と結婚する女性がいる一方で
この女性のように、結婚願望が薄いひとも多いようです。




家庭ほど女を磨く場はない

なんて古くさい話?
そう思われることを承知で申します。

家庭は、職場にもまして女性を磨きます。

四半世紀あまり主婦業をやってきた私の実感です。

仕事ならお給料なりギャラなり、対価がありますが
家庭の営みには、そうした報酬はありません。

そして、二十四時間、緩急を繰り返しながら終わりがありません。

女は、妻の顔、母の顔、仕事の顔と
少なくとも3つの顔を使い分けながら、あれもこれも切り盛りします。
親に介護が必要になれば、
もういちど娘の顔を取り戻して、親に尽くすことにもなります。

こうして書いていけば、

だから結婚はしたくない

そう思われてしまうのでしょう。

でも、こんなに大変そうなことの数々が
(そして実際、想像以上に大変なのですが)

どれだけ私を磨いてくれたか知れないのです。

「大変で嫌なこと」と思うのは、実際にやったことがないからかもしれません。

現実になれば、もうやるしかないのであって
あれこれ考えている暇はないのです。


その時、
人生は、その時その場に応じることの連続であることを悟ります。

さらには、
お金をどれほど積んでも得られない大きな喜びは
必ずと言っていいほど、困難を乗り越えた向こう側にある
ことも知るのです。

こうした経験をできなければ
人間的な深みが備わらないのでしょう。

人間は年を取れば見た目は悲しく衰えます。
これは事実として受け容れた方が健全です。

そして、深みのある女性は
老いが、不思議に魅力的に見えてくる、
そんな美しさを備えるものでしょう。

無我夢中の中で掴むものがある


晩婚化が進んで、結婚しないと宣言する女性が増える。
すでに子育てをしている女性は、そんな女性たちを尻目に
時には、
「私だって仕事もしたいし、自由な時間が欲しいのに」と
思うこともあるかも知れません。

子育て中は、体力と忍耐力の限界に挑戦する時期ですから
どうしても精神的に追い詰められやすく
「これでよかったんだろうか」と疑問を抱きやすくなるのです。

まだ子育て中の若い女性たちに、私は心から言いたい。

不安や不満が募るかも知れないけれど、
焦らずに「今やるべきこと」に邁進していると
それが必ず、あなたを美しく磨き上げるから
、と。

そして、その中から、必ず何かを掴むはずだから、と。

実は、私が女性の立場で武士道を探究しようと思ったのは
結婚してからの悩みも、大きなきっかけとなったのです。
妻として、母として、どう振る舞えばいいのかわからない。
どんな心構えでいればいいのかわからない。

その答えを探そうとした、というのも、理由の一つなのです。

ですから、結婚しなければ、決して武士道のことを本に書いたりしなかったでしょう。

もしかしたら、まったく別のものを書いていたかもしれません。

無我夢中の結婚生活の中から私が掴んだのが
『女子の武士道』だった・・・というわけです。


あとから振り返ってみると、
なんだか、神さまのシナリオだったような気がします。