うつわを飾る

うつわをインテリアに

うつわは、使ってこそ。

そう喝破したのは白州正子さんでした。

高価な骨董品となれば
ちょっと使うのがはばかられてしまう。
それが常人の心情でしょう。

でも、白州正子さんは、どれほど希少なものでも
じゃんじゃん使われていました。

それだけでなく
白州さん曰く 「眺めて、なでて、もてあそんでこそ」。

つまり、始終、うつわに触れているということです。
そうやって手で唇で触れて、使っていくうちに
うつわは味わい深くなっていくのだと。

わたしも、そう思います。

でも、そこは白州さんほどきっぱりしていないので
あまり高級品を
「割っても仕方ない」として
じゃんじゃん使うことはできません。

私の場合、

「絵」として楽しむ

そんなこともしてみたいのです。

それで、インテリアに取り入れてみたりします。

お店のディスプレイ感覚で
ちょっと飾ってみる。

これだって、「使っている」ということになるから・・・

まるで白州正子さんに、いいわけしているみたいですが(笑

たとえば玄関に


一日を終えて、家にたどりついて
「ただいま」と玄関を空ける瞬間。

求めているのは、「ホッ」としたい・・・という安堵感ですよね。

花と、うつわと、あかりで、こんな演出。

まるで、「おかえりなさい。一日、おつかれさま」と
言ってくれているような気がしませんか?

おだやかな琥珀色のカップ&ソーサーと
淡いピンクの芍薬

これだけでも、もうくつろいだ気分になれます。



玄関のコーナーに。ドアを開けた瞬間、ホッとします。

作家ものを少しずつ



このカップ&ソーサーは
馬場浩二さんという方の作品です。

笠間市の向山釜で研修を重ねたのち、独立されました。
いまも、笠間市にアトリエを構えて
うつわづくりに励まれておられ
展覧会などにも出展されています。

「作家もの」というと、構えてしまうかもしれませんが
購入しやすい価格のものもけっこうあるものです。
特に、こうしたふだん使いは、数千円もあれば
手に入れることが出来ます。

わたしは、そうした作家ものを
ひとつとか、ふたつずつとか、
少しだけ手に入れるようにしています。

べつに、そろってなくてもいいのです。
一緒に使う場合も
風合いが似ているものを選べば、ちっともけんかしません。

ただ、焼きものならば、焼きものでそろえるようにして
瀬戸物とは、あまり一緒に使わない方が良いかな、と思います。

やわらかな風合いの馬場浩二さんの作品

ひとつとして同じものはない


そもそも、ひとつひとつ手づくりの焼きものは
たとえ同じシリーズでも、
ひとつとして同じものはないのです。

ほんのわずかですが
色も、ラインも、ちょっとずつちがう。
だから選ぶときは、
じっくりと、ひとつひとつ並べて
フォルムと色と風合いとを
全神経を集中してチェックした上で
いちばん「しっくりくるな」と感じるものを選びます。

それはもう真剣そのものです。

そんなふうにして選び抜いて
大切に家に持ち帰ってきたうつわ。

もうすでに、愛着がわいています。





暮らしの道具のひとつであるうつわに
そういうこだわりを持つ。

毎日使うものだからこそ、真剣に選ぶ。

満足できるうつわを使っていると
それだけで、毎日が、ちょっといい感じになるのです。

わたしの、「ご機嫌の法則」のひとつです。


笠間市方面へお越しの際は、向山窯・プラザ店へぜひお立ち寄りください。

向山窯さまの器は、ネットショップ「和の雑貨えん」でもお買い求めいただけます。