女性の「社会的地位」

外国人女性による日本の女性の地位についてのリポート

ある書物を検索していて
偶然、『日本女性の社会地位に関する歴史的研究』なるリポートを発見しました。
女性の地位を史実から検証するリポートはあまりないので、珍しいなと思って見てみると、著者は外国人女性です。
日本に滞在しているようで、
歴史的検証については、ちゃんと調べており、見解も公平で、
それなりに納得できるものでした。
ところが、総括として出された結論のところで
「あれ?!」とずっこけてしまったのです。
が、その「あれ?!」によって、
ものすごく根本的なことに気づかされたのです。

社会に出ない女性は地位が低い?

このような研究者をはじめ
主として先進国の人々は

「専業主婦など、家にいる女性は地位が低い」

という観点をもっている、ということです。
それも、かなり厳然として。

そして同時に

「社会に出て働き、しかも、管理職などについている女性の地位が高い」

ということを、これもまた基本的観点としているようです。

ゆえに、社会に出ている女性が多く、さらには管理職など重要なポストに就いている女性が多いほど

女性の地位向上が行われている理想的な先進国

ということになるわけです。

日本女性の中にも、知らず知らずのうちに
このような観点を持ってしまっている人は多いでしょう。

女性誌に携わっている時に
「わたしは専業主婦だから・・・」と、
身を小さくするようにしておっしゃった方を
何度目にしたかしれません。

でも、専業主婦であることが、なぜ地位が低いと言えるのでしょう?

お金を稼がないからでしょうか。
でも、奥さんが家のことをしっかりやってくれたら
ご主人はバリバリ働いて、お金を稼げますよね。

だとしたら、それは奥さんの稼ぎでもありますよね?

ゆえに日本男性の多くが
お給料を奥さんに、「はい」といって
まるまま渡す・・・ということが
ずっとされてきたのでしょう。
(今はどうなのでしょう?)

「地位向上」は、おしなべて「イコール幸福」なのだろうか

日本では「奥」を治める「奥方様(奥さん)」が
なんだかんだいって力をもっていました。
しかし、戦後、戦勝国の価値観が怒濤のように押し寄せて
日本でも女性解放運動が戦後は本格的になり
1980年代には「女性の時代」といわれるようになり
男女雇用機会均等法も施行され
女性は大きな肩パットを入れたファッションで
ビジネス街を闊歩するのがかっこいいとされたものでした。

それから、四十年近くが経とうとしている今
私が常に問うているのは、

女性は幸せになったかどうか

ということなのです。

それからもうひとつには

なぜ、歴史も文化も風土も何もかも異なる国々が
「国際基準」なるものを設定し、
限りなく「同じ」になろうとしなければならないのか、です。

こうした「女性の地位」についての議論やリポートが
あまりにも空疎なことに感じられるのは、私だけでしょうか。