言の葉帖が紡ぐやさしいご縁

ある日、公式サイトを通じて、一風変わった問い合わせがありました。

要約しますと、

旅先で訪れた司馬遼太郎記念館で、とても素敵な菜の花のハンカチを見つけ、これを先生に!と思って購入したのですが、後になってから、どのようにしてお渡しすればいいのかわからず、迷ったあげく問い合わせをさせていただきました。

ちょうど新型コロナウィルスに関係して世間に暗雲が立ちこめてきた頃でしたし、もし万が一、イタズラみたいなものだったらどうしよう?という心配もあり、失礼とは思いながらも、事務局のMさんに直接、電話をしてもらいました。

いざ、お話を伺ってみると、もう「お人柄の良さが滲み出ている!」としか言いようのない雰囲気で、大変恐縮されているご様子なのです。「こんな問い合わせをしてしまってすみません・・・」と。
Mさんのすぐ隣にいて、電話の声が聞こえてきましたから、Mさんには「大丈夫、応じますよ」と、表情で合図をしました。

そして、あらためて私からメールを出して、直接お電話をかけた無礼をお詫びを申し上げると共に、送り先を感謝を以てお伝えしたのです。

そして、届いたのが、こちら。

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ほんとうに美しくてかわいい菜の花のハンカチと、萱でできた白雪ふきん。
チッチとサリーの絵はがきも添えられていました。

この方は、K子さんと仰るのですが、『心をたがやす言の葉帖』が大好きで、いつもバッグに入れて持ち歩いてくださっているとのこと。でも、その『言の葉帖』が限定販売した旧版で、入手されたものもユーズドであったとのことです。そして、もし新しいのがあれば購入したい、とのお申し出でした。
私は事情を説明し、刷新版がまもなく出ることをお伝えしました。
すると、是非にとご注文をいただいたのです。しかも、お友だちにも差し上げたいからと10冊も。

K子さんとは、このようなことから、ささやかな交流が始まりました。

そしていよいよ『心をたがやす言の葉帖 刷新版』が完成し、無事にお届け完了。とてもお気に召してくださったようで、大変ご丁寧なメールをいただいたのです。

家事を終えて、静かにご高覧くださったこと。
あたたかくて、写真やイラストもたくさんありページをめくる度にワクワクすること。
サインをお入れしたことや、桜の便せんでお手が紙を添えたことも、
本当に喜んでくださいました。何より嬉しかったのは、

 私の宝物になりました。そして私の生きる指針となる御本になりました。大切に大切にさせていただきます。

というお言葉。
ここまで想っていただけるなんて、本当に幸せです。

それから一週間か、十日ほどしてからのこと。予想もしないお手紙と贈り物をいただいたのです。

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お礼のお手紙と共に、実に上品で美しいクリアファイルと、お文香です。
ご趣味の良さに感嘆しながらお手紙を拝読し、お文香をあけてみました。

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ふわっと薫る慎ましくも上品な香りに包まれて、頬がほころばずにはいられませんでした。

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桜の花をかたどった和紙が、まるで花びらのように散らされています。
私は、しばし眺め入り、写真を撮ってから、もとのとおり丁寧にしまいました。
なんだかもったいなくて、しばらくは使わずに眺めていたい、この香りも、できるだけ長持ちさせたい・・と思ったためです。

私は嬉しくて、失礼とは思いながら、この喜びをすぐにお伝えしたく、メールを出しました。

『言の葉帖』が、こんなご縁を紡いでくれるなんて。
やっぱりこの本は、「ただもの」ではないな、などと思った次第(笑

それからというもの、ときおり、K子さんのことを想い出しました。
世の中は、なんだかどんどん暗雲が垂れ込めるような状況になっていきますし、何より多くの人々が不安を抱えて憂鬱な状態に陥っています。

それでも、なんとなく、「K子さんは、きっとご自分から幸せを見つけられる人。それなりに明るく穏やかに過ごされているに違いない」というふうに思っていました。

そして、今日。

再び、K子さんから、まったく思いがけず贈り物が届いたのです。

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『銀花』という雑誌でした。
添えられている絵はがきには、「文香の記事がありましたので・・・」とありました。「作れたらいいなぁと私も眺めています」という一言には、やっぱり素敵な方だなぁと感じ入ります。

ところで、この雑誌はもう休刊になって久しいのです。
それに気づいて発行年月日を見てみると、なんと2001年!
探し出してくださったのかしら・・・と、頭が下がりました。

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文香のところがすぐに開けるように、リボンを結びつけた栞がはさまれていました。

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めまぐるしく状況が変化する中で、色々対応しなければならないことが山積みで、日々が飛ぶように過ぎていく今日このごろでした。

そのようなところに届いた、K子さんからのお便りと『銀花』。

私はあらためていただいたお文香を取り出して、ひととき、「文の香りに酔い」ました。

どうしようと「心配」することが多い状況の中で、ホッとするひとときを相手にもたらす、そんな「心配り」ができるって、なんて素敵なのでしょう。

こんなに豊かで、こんなに幸せな気持ちになれる。

もしかしたら今、そうした本当に大切なことに、多くの人が気づくことが出来る時かも知れません。

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