不安を飛ばす「息吹きの法」


現在は、先行き不透明な時代といわれます。
先が見えないために、多くの人が漠然とした不安を抱えて生きています。

でも、過去を振り返れば、不安でなかった時代があるでしょうか。
歴史を知識だけではなく、五感を総動員するつもりで「感じて学ぶ」ようにすれば
どんな時代も人々は不安の中に生きていたことがわかります。

でも、そんなことは当たり前なんですね。

なぜなら、生きていることそのものが、実は不安だからです。

生きている以上、リスクは伴います。
いつ病気になるかわからない、いつ事故や犯罪、災害に巻き込まれるかわからない。
そして何より、いつ死ぬかわからないのです。

だから、今の時代が不安なのではなくて、人間として生きていることは不安なことなのです。

不安を感じたら、不安から逃げない


ただ、そうはいっても、実際の日常生活では、調子が良ければ不安なんて吹き飛ぶし、
ちょっとした出来事をきっかけに、急に不安になったりするものです。
人の心というのはヤジエロベエのように常に動いていますから。

不安を感じたら、あなたはどんな反応をしますか?
「考えすぎだ」「気にしたってしょうがない」等々、不安を打ち消そうと対処することでしょう。
このようにしてメンタルコントロールすることは、大切ですね。

でも、こうして不安を打ち消そうとしても、心の奥底にある不安感は消えなかったりしませんか?

何かの拍子にふと思い出して、また不安になり、不安になっている自分の事を思い、「なんて自分はダメなんだろう」と憂鬱になってしまう。

もし、このような経験を今までしてきたのなら、今日からはもう一段上の工夫をしてみましょう。

それは、不安を感じたとき、その不安感と向き合い、しっかりと味わうのです。

具体的には、もう一人の自分が少し離れたところにいて、不安を感じて心細くなっている自分自身のことを見つめている・・・というイメージを思い浮かべてください。
このとき、丹田に手を置いて呼吸を深く長くするようにします。

そして、「ああ、今、自分は不安になっているんだなぁ。この前も同じ事で不安になって、憂鬱な暗い気持ちになったなぁ」というように、静かに不安を感じていることを認めるのです。

こうすれば不安から逃げないで、その不安と一体になることができます。

そんなことしたら、もっと不安になりそう!

そう思うかも知れませんね。でも、大丈夫です。
しっかり不安を自分のものにしたら、ここから打ち消しに入るのです。
それは日本で古代から行われてきた「息吹きの法」です。

不安を吹き飛ばす「息吹きの法」


心の中にある不安を自分のものにできたら、その不安を風船の中に入れていきます。
もちろん、これはイメージです。
透明な風船を口もとにもってきて、そこに不安感を息を吐きながら込めていきます。
風船はどんどん膨らんで、心の不安はすべて風船の中に行きました。
それを今度は、「ふ!」と吹き飛ばす
のです。
風船は遥か彼方まで飛んでいって、青空に溶け込んで見えなくなりました。
あるいは、
目の前に「不安」と書いた紙があって、それに向かって「ふ!」と息を吹きかけたら
散りじりになって飛んで行ってしまった。

こんなイメージでも構いません。

これは、先にも述べたように日本に古くからある「息吹きの法」を
私なりにアレンジしたものなのです。

「ふ!」と息を吹いたあとは、

不安になってあれこれ心配したって仕方ない。
心配が物事を解決することは未だかつて、誰だって、できたためしがない。
私はこれまでもなんとかやってきたのだし、
これからもなんとかやっていけるのだ。大丈夫。


そんなふうに、宣言してください。

この「息吹きの法」は、不安だけではなく、あらゆるマイナス感情に使うことが出来ます。
後ろ向きな感情、マイナスな想いが浮かんだら、
まずは、その感情から逃げないで、感じている自分自身と向き合って、
それから息を「ふ!」と吹いてください。

心が軽くなりますよ。